当番世話人挨拶

第30回日本癌病態治療研究会の開催にあたって

  第30回日本癌病態治療研究会
当番世話人 柴田 昌彦
公立大学法人福島県立医科大学 地域包括的癌診療研究講座・消化管外科学講座

 この度、第30回日本癌病態治療研究会を担当する当番世話人をご下命いただきました福島県立医科大学の柴田昌彦でございます。私のような者に第30回という記念すべき研究会を担当させていただき、松原久裕理事長をはじめ理事、会員の先生方に心より感謝申し上げます。

本年2月に新型コロナウィルス感染症が世界中で広がりを見せ、本邦では緊急事態宣言の発出となりました。世界中の学会・研究会もまたその開催形式に大きな変化が生じており、本研究会でも第29回研究会の開催を6か月延期して開催のご準備をされているところです。第30回の研究会をどの時期に、どのよう形式で開催するかを松原理事長、数名の理事の方々と協議させていただきました。その結果、予定通り2021年6月11日とし、開催を1日に集約することといたしました。感染対策として収容定員の50%以下の条件で使用可能な神奈川県鎌倉市の会場を使用し、ポスターセッションを中止して3密を避け、教育講演、特別講演、シンポジウムなどを主体に1会場で開催することといたしました。この決定に至る判断に関しましては多くの御助言、ご指導を賜りました先生方には心から感謝を申し上げます。

 今回のテーマを「今、珠玉の癌研究に学ぶ」といたしました。非日常の業務に時間を割かれ研究会は延期や中止・web開催などが続く中、研究が思うように進まない状況かと思います。この機会に日常診療や研究の基盤となる知識を再認識する機会となればと思います。本邦のVEGF研究の第一人者である大阪大学の高倉先生にはVEGF 阻害の効果と有害事象のメカニズムについてご講演をお願いしています。また癌免疫療法に関して、複合免疫療法を臨床的見地から愛知がんセンターの室先生にご講演をお願いしています。またCAR-T療法に関するシンポジウムなどを企画しております。

 鎌倉は古い都市で観光の人気が高いところです。鎌倉武士の文化が香る悠久の街に身を置き、陽光あふれる相模湾を一望できる会場で癌研究のロマンに思いを馳せていただきたいと思います。これから開催までの9か月に世界の学会・研究会の在り方が大きく変化する可能性があります。本研究会の開催も形式など変更せざるを得ない可能性があります。しかしながら、現時点において以上のような形式で開催を予定し皆様に会場でお目にかかれることを心より楽しみにしております。